(ヴィッセル神戸公式・2022年3月27日)

という経歴なので、古巣のFC東京ではなくヴィッセル神戸の一員となったことで、まあFC東京サポーターは心中穏やかではないね。
でも、2020年夏にFC東京を出た時点でもう所属選手ではなくて、自由競争の結果だよな。「クラブ愛」なんて抽象的なものを持ち出した批判は全く的外れに思う。
そして、政情影響によってFCロストフとの契約が6月末のロシアリーグのシーズン終了まで一時停止した結果、というのがとても重要。ヴィッセル神戸との契約も6月30日までの約3カ月間。FC東京からすると、3カ月間限定での橋本拳人の獲得は戦術的にはおそらくマイナス面のほうが大きい。
・FC東京は今シーズンから新監督を迎えて、昨シーズンまでとは違うやり方に挑戦中。
・日本代表活動があった長友の様子を見ていると、実力者だろうと合流してすぐになじめる状況ではなさそう。3カ月のうち少なくとも数週間は準備期間に使ってしまう。
└すぐになじめない、というのは移籍にはつきもののリスクではあるけれど、移籍した当事者だけではなくクラブのほぼ全員がなじもうとしている途中というのがよりリスクを大きくしている。
・もしすんなりなじめて3カ月フルに働いたとしても、結局7月になったらいなくなるのであれば、クラブ全員で挑戦中の状況で橋本拳人への依存度を高められない。
⇒つまり、現状では3カ月間限定の傭兵的な獲得は、「クラブ愛」があろうがなかろうが、イニエスタ級の大物だろうが、得策ではない。
批判しているFC東京サポーターの多くも、そんなことを頭では理解しつつも、気持ちがついてこないって感じなんだと思う。2020年夏の移籍壮行セレモニーでの発言が良くなかったんだよね。「いつか大きくなって戻ってくるから18番あけといて」的なやつ。あれ聞いた時、大きな決断して挑戦するんだから、退路断ったつもりで行ってこいよって思ったもんな。そしてそれが今になって約束だったかのように一人歩きして、FC東京サポーターの気持ちを逆なでする結果になってしまった。
海外挑戦だろうが移籍は移籍、クラブを離れるってことなんだから、今後、クラブは壮行セレモニーなんてやらない方がいい気がするな。または、クラブ在籍時の過去のことと、今後のキャリアの未来のこととは切り離した内容や演出にしていくこと。もちろん、日本に復帰する際は他クラブとは契約しないこと、みたいな条項つけるっていうビジネス的な対策もあり。
次に海外移籍しそうなのは、えーっと、松木玖生かしら。それとも安部柊斗? ディエゴやアダイウトンが中東や中国に買われていったらそれはまた違う話か。
育成年代を過ごしたクラブを離れる選手としては、育ててもらった「クラブ愛」の表現手段はなにも自分自身が所属選手として戻ってくることだけじゃなくて、連帯貢献金だっけ、移籍金の何パーセントかが育成年代に所属したクラブに入ってくるルール、あれで恩返しってことでもいいと思う。
この移籍騒動はいま始まったところで、ヴィッセル神戸を選択したのは、「3カ月限定」「移籍金が発生しない状況」での一次回答。本番は次の、7月にどうするかだと思うんだよな。
まずはFCロストフに戻されちゃうのかな。一時停止が解けた7月以降の契約がどうなってるかしだいか。そこから違うクラブに移籍金のある形で移籍すればFC東京に連帯貢献金が入るし、なんなら7月に再度の決断で、日本に腰を落ち着ける、そのときはFC東京を選ぶ、みたいなことでもいい。まあ海外挑戦の道半ばだと思うからそれはないかな。もしそうする場合、今度はヴィッセル神戸に恩を仇で返すことにはなるんだけど、それも恩とか仇とかではなく、ビジネスとしてふるまえるように。
しかしこの直後、4月6日にFC東京×ヴィッセル神戸を組んであるの、日程くんのさすがの仕事ぶりだ。しかもFC東京ホーム。平日夜だからぼくはパスだけど、集客に貢献したなら橋本拳人の恩返しの一環。
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