
で、やや薄かったテレビドラマとは打って変わって、ぐさっと重くて考えさせられる内容。こういうの社会派っていうのかな。重いんだけど重すぎない演出で社会派エンターテイメント。
殺人事件の容疑者は未成年。逮捕された瞬間から容疑者の家族はマスコミや世間の好奇の目にさらされる。その家族、特に志田未来が演じる15歳の妹を守るべく、佐藤浩市が演じる刑事が奔走。
マスコミの追究は序盤だけでたいしたことなくて、大半は情報が氾濫するインターネットに焦点。掲示板に次々とさらされていく、実名、顔写真、居場所、隠し撮り生映像まで。匿名で興味本位で無責任。もちろんフィクションなんだけど、ドキュメンタリータッチの演出も手伝って、現代社会をリアルに浮き彫り。んー、世の中こうなんだよなぁ。
新聞記者役の佐々木蔵之介が思わせぶりだったのにあまりたいした役割なくて残念。彼氏が断然声変わりしてなかったのも残念。あと、被害者家族の心理も描きたかったんだろうけど、あの展開で過去の事件の被害者家族のところに身を寄せるのはちょっとありえない。来るべきじゃなかった、なんて言っちゃうし。柳葉敏郎が寛大すぎ。
と、残念なところはいくつかあるものの、病んだ世の中への問題提起って感じでよくできてた。事件後のインターネットでの情報さらしまつりだけじゃなくて、あまり深くは描かれなかったけど事件の原因も教育問題や家族問題がからんでるし。
志田未来は、大人になりかけの15歳に突然重くのしかかる悲劇に困惑する様を好演。口を尖らせて眼光鋭く常に厳しい表情。ほっぺがふくらんでるのはもともと丸顔かな。
序盤で木村佳乃がいきなりどっぷりで、テレビドラマでいい感じだっただけにこれはうれしい。序盤だけだったけど。逆に松田龍平は活躍少なかったな。シャブ漬けにするぞ、とかはテレビドラマの内容を受けててニヤリとさせてくれた。
という感じで、テレビドラマはぼくの思ったとおり、それ自体はたいしたことないんだけど見ておいたほうが映画をより楽しめる、という位置付け。これから映画見る人は、テレビドラマ録画してた人を探してね。ぼくも一応録画したけど、HDDレコーダーのDVDドライブが壊れてて外に出せないので他あたってください。もちろんテレビドラマ見なくても大丈夫だけど。
新宿ピカデリーで118分。6回見たら1回タダ。
・2時間ドラマ「誰も守れない」はまあ映画のプロローグかな 2009/01/24
・映画「誰も守ってくれない」&2時間ドラマ「誰も守れない」 2009/01/22
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この記事へのコメント
みいな
人を選んで起用したと思うんだけど。大人になって
ないってことで。それとホモセクシュアルかも?。
「社会派エンターテイメント」という表現が
ぴったりですね!
ぼくんち杉並区†