
「金」そのものについての自然科学的な話からはじまって、マルコ・ポーロの「東方見聞録」で黄金の国ジパングと称された日本の金の文化、そして「東方見聞録」を読んで黄金の国を目指したコロンブスが到達したコロンビアの黄金文化。日本とコロンビア、まったく別な遠い場所なのにそうやって「金」によって歴史的につながっちゃってるのがおもしろい。
なぜか音声ガイドがルー大柴だったのでうっかり借りてしまった。でもルー語は出てこなかった。


金塊、砂金などのいわゆる自然金をまじまじと見つめたことなんてなかったので貴重な体験。そして、金の重さを体験しよう、なんつって、アルミニウム、銅、銀、金の同じ大きさの延べ棒が置いてあって、金めちゃめちゃ重いの。そして、さびない。すごいね、金。
薄い金を光に透かすと緑色に見えるとか、金の蒸気が紫色とかなのも興味深い。その昔、紫色の煙が見えたら金が埋まってるなんて言われてたんだって。
金鉱石の採掘から精製までが映像で紹介されてたんだけど、爆薬でどかーんとやってゴロゴロの石をかき集めたら、何をどうやってるのか分からないんだけど、工場でおばちゃんがより分けてたんだよね。すごいぞ、おばちゃん。


日本の金文化として、古墳時代の副葬品から仏像、工芸品、大判小判、建築物と幅広く展示。金字の経文がかっこいい。大判小判が、時代によって金の含有量が違ってて、言われてみると輝きが違う気がする。
復元で出展されてた豊臣秀吉の黄金の茶室はものすごい輝き方だったんだけど、ほんとにあんなだったのかね。建築物は映像で金閣寺、幻の城・安土城、中尊寺金色堂なんかを紹介。奥州平泉は一度行ってみたいなぁ。


コロンビアのは、黄金郷エル・ドラード伝説のもとになったと言われる古代の黄金文化として、ペンダントとかの装飾品がたくさんあったんだけど、正直よくわからん。日本の中性の精巧な細工を見せられた後ではどうにも大雑把に見えてしまって、まあ、シャーマニズムが象徴されてるのね、くらいかな。


人間国宝・江里佐代子の截金作品がもうれつに美しい。截金(きりかね)なんてはじめて見たけど、金箔とかを何枚かあわせて、細い刀で模様を切り出すんだって。きれいだわぁ。
あと、おまけ的に北島康介のアテネオリンピックの金メダルも飾ってあったよ。タイムリーだね。ユミカツラの黄金の打掛とウエディングドレスもきらびやか。
地球上の金の含有量は今のペースで行くとあと20年分しかないから、リサイクルしようねって話で締め。携帯電話とかの精密機械には金およびレアメタルがたくさん入ってるんだよーって。都市鉱山ってやつだね。1tあたりの含有量で言えば自然鉱山より圧倒的に多い。なるほど。


ついでに常設展も見ようと思ったけどなんとなく子供向けな気もしたし若干疲れたのでやめといた。
でも、ふらっと立ち寄ったシアター360はなかなか楽しかった。ドーム型のシアターに入って、360度スクリーンでなんか恐竜の話とか。乗り物に乗って飛んでるような感覚がすごい。
建物の外にはどでかいクジラとかSLとかいて、なんだか楽しいね、国立科学博物館。



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